環境整え子育てママ活用
人材不足が深刻な問題となっているトラック運送業界。国土交通省は男性だけでなく「トラガール」と銘打ち、女性の労働力も取り込もうと躍起になっている。そうした中、ちょっとした工夫によって女性の労働力を有効活用しているのが、ピアノ輸送をメーンに事業展開する㈱ナイスキャリーサービス(愛知県小牧市)の猪上章社長だ。同社では働ける場を「解放」することで時間に制約のある子育て世代のママから大きな支持を得ている。猪上社長に話を聞いた。
いわゆる「団塊の世代」が2012 年から65 歳を迎え始め、2015 年にはすべての団塊世代が年金の65 歳以上となり、労働人口の減少が
懸念されている。この2015年問題は労働集約型産業のトラック運送業界でも深刻だ。
20代後半から30代にかけて、ガクンと下がったM字を描く日本の年齢別労働力比率。ここに眠る労働力は、主に女性で、その数はおよそ120万人ともいわている。トラック運送事業者は、働き盛りの男性を確保することはもちろんだが、ドライバーのなり手が望めない現実的な将来を見極め、物流に関連する新たなニーズを掘り起こし、この眠れる労働力を揺り起こすことも生き残りのカギとなってく
る。ナイスキャリーサービスの猪上社長は、ちょっとした環境整備によってこうした人材の掘り起しに成功している。同社では、営業
時間中、本社に併設する自社倉庫を解放。1日3時間を限度に商品の梱包作業や整理などの軽作業をパートタイマーに委託している。
猪上社長は「育児や家事のため働きたくても働けない女性は多い。そうした時間の制約があるママさんのために、営業時間内であれば
いつでも仕事ができる仕組みをつくった。働きたいときに働ける内職さんの発想だよ」と説明する。この仕組みをチラシなどで告知す
ると、すぐさま女性たちの働く意欲を刺激。多くの問合せがあったという。同社で働く女性は、育児や家事をおろそかにすることなく
仕事に取り組むことが可能となった。中には責任感のあるパートさんもいて、人手が足りない時などは子供を背負いながら働くことも
あるという。「働く側が選べる環境を用意すれば人材はいくらでもいる」。となった。中には責任感のあるパートさんもいて、人手が足りない時などは子供を背負いながら働くこともあるという。「働く側が選べる環境を用意すれば人材はいくらでもいる」。とにかく働くスタッフを大切にする猪上社長ならではの発想だ。「私には創業当時からの夢がある。自分の会社とグループ会社の従業員とその家族を連れて飛行機をチャーターして社員旅行をしたい。叶うか叶わないかは分からないが、死ぬまでに実現できるよう努力していきたい」と目を輝かせる。そんな猪上社長は現在、縮小するピアノ輸送市場に危機感を募らせ、すばやく変化に対応。引越などで出たぬいぐるみや陶器などの不要品を、輸出するエレクトーンやピアノ、金庫などの隙間に入れ、コンテナで輸出。東南アジアなど雑貨を必要とする国で格安で販売している。「障害も多くまだまだ軌道に乗るには時間がかかる」と話す猪上社長だが、持ち前の突破力で待ち受ける難局を乗り越えていく構えだ。
いわゆる「団塊の世代」が2012 年から65 歳を迎え始め、2015 年にはすべての団塊世代が年金の65 歳以上となり、労働人口の減少が
懸念されている。この2015年問題は労働集約型産業のトラック運送業界でも深刻だ。
20代後半から30代にかけて、ガクンと下がったM字を描く日本の年齢別労働力比率。ここに眠る労働力は、主に女性で、その数はおよそ120万人ともいわている。トラック運送事業者は、働き盛りの男性を確保することはもちろんだが、ドライバーのなり手が望めない現実的な将来を見極め、物流に関連する新たなニーズを掘り起こし、この眠れる労働力を揺り起こすことも生き残りのカギとなってく
る。ナイスキャリーサービスの猪上社長は、ちょっとした環境整備によってこうした人材の掘り起しに成功している。同社では、営業
時間中、本社に併設する自社倉庫を解放。1日3時間を限度に商品の梱包作業や整理などの軽作業をパートタイマーに委託している。
猪上社長は「育児や家事のため働きたくても働けない女性は多い。そうした時間の制約があるママさんのために、営業時間内であれば
いつでも仕事ができる仕組みをつくった。働きたいときに働ける内職さんの発想だよ」と説明する。この仕組みをチラシなどで告知す
ると、すぐさま女性たちの働く意欲を刺激。多くの問合せがあったという。同社で働く女性は、育児や家事をおろそかにすることなく
仕事に取り組むことが可能となった。中には責任感のあるパートさんもいて、人手が足りない時などは子供を背負いながら働くことも
あるという。「働く側が選べる環境を用意すれば人材はいくらでもいる」。となった。中には責任感のあるパートさんもいて、人手が足りない時などは子供を背負いながら働くこともあるという。「働く側が選べる環境を用意すれば人材はいくらでもいる」。とにかく働くスタッフを大切にする猪上社長ならではの発想だ。「私には創業当時からの夢がある。自分の会社とグループ会社の従業員とその家族を連れて飛行機をチャーターして社員旅行をしたい。叶うか叶わないかは分からないが、死ぬまでに実現できるよう努力していきたい」と目を輝かせる。そんな猪上社長は現在、縮小するピアノ輸送市場に危機感を募らせ、すばやく変化に対応。引越などで出たぬいぐるみや陶器などの不要品を、輸出するエレクトーンやピアノ、金庫などの隙間に入れ、コンテナで輸出。東南アジアなど雑貨を必要とする国で格安で販売している。「障害も多くまだまだ軌道に乗るには時間がかかる」と話す猪上社長だが、持ち前の突破力で待ち受ける難局を乗り越えていく構えだ。