国内レポート

2016年熊本大地震支援物資輸送

物流ウィークリー2016年4月27日掲載記事

放っておけない

■トラック協会の支援活動

全日本トラック協会では、非常災害対策本部から要請を受けた大量の毛布、飲料水、パン、カップ麺、トイレ等の物資を集荷し、熊本県内をはじめ隣接県等に指定されている緊急物資集積所等への搬送を実施中。内訳としては、
パン約49万食、カップ麺約46万食、飲料水約15万本、毛布約3万枚、トイレ約9千個ほかで、 使用車両台数は約190台。

各地道府県トラック協会の動きとして、熊本県トラック協会では、県内における緊急物資輸送に関し、17日(日)、県庁と日本通運・ヤマト運輸と連携し、緊急物資集積所に物流専門家を派遣したほか、同日夜には熊本市と協議し、18日(月)から県内の物資集積拠点等に協会職員を派遣し、支援物資の物流管理などを含めた効率的かつ円滑な物資輸送を実施中。また、佐川急便の協力を得て、益城町内の物資集積所から町内に散在する末端の避難所等への配送などを実施している。各都道府県トラック協会の緊急物資輸送対応については、

飲料水約106万本、おにぎり等約81万食、パン約17万食、トイレ約18万個、毛布約12万枚ほか、使用車両台数は約520台となっている。福井県トラック協会では18日、福井県の要請を受け、熱湯や冷水を注入することで飯へ復元し食べられる状態となるアルファ米4000食分およびブルーシート1000枚を4トントラック1台に積み込み(写真)、熊本県民総合運動公園まで運んだ。
これら支援物資は、県に数か所ある備蓄倉庫の中で市内の消防学校に蓄えられていたものだという。

■トラボックスは募金活動開始

オンライン物流ネットワークを展開するトラボックス㈱(吉岡泰一郎社長、東京都渋谷区)では「熊本地震の被害救済活動への募金」をスタート。集められた募金は、日本最大の寄付サイト「Japan Giving」を通じ、全額、緊急災害支援のプロフェッショナルである公益社団法人CIVIC FORCEに届けられる。また、寄付を行った事業者名と金額はトラボックスのホームページで紹介される。同社では、「九州地方には物流業界に携わる方がたくさんおり、被害にあわれている方も多いかと思います。被害にあわれている方を直接支援することや、支援物資を届けることも考えましたが、まずは、現地ですでに救済活動をしているCIVIC FORCEを通じて、被害救済のお手伝いができればと思っています」としている。

■SNSが活躍

ナイスキャリーサービスに限らず、多くのトラック運送事業者が震災直後から物資輸送など支援に駆けつ
けた。そこで役に立ったのがFaceBookなどのSNSだ。多くの道路が寸断されている中で、先陣を切って到着した事業者がSNSを通じ、通行できるルートを拡散。それによって後続のトラックもスムースに被災地に到着できたのだ。
普段は縁の下の力持ちとして、あまり経済の表舞台に出ることのないトラック運送業界。あってはならないこうした「まさかの時」こそ業界の活躍と存在価値が改めて世間に認知されるのも事実だ。

熊本大地震支援

関連記事

TOP